倉庫内作業に転職すべきか?10年働いてわかったこと


古田 正(30代・男性)

こんにちわ。
吉田と申します。

「倉庫内作業ってどう?」
「転職で迷ってるんだけど…」

僕は倉庫内作業で10年働いているため、こうした相談をよく受けます。

でも答えはいつも決まって、「倉庫内作業はやめたほうがいい!」です。

デメリットばかりの業界ですから。
待っているのは醜い現実です。
安易な転職は、避けるべきです。

もちろん倉庫内作業にも良い面はあります。
でもデメリットの方が圧倒的に多いのです。

そこで今回は「倉庫内作業における6つのデメリット」書いてみたいと思います。
転職を考えてる人にぜひ読んで欲しいです。

デメリット1:肉体的にきつい

倉庫内作業は肉体的にきついです。
1日中、歩き続けるので、足がパンパンになります。

特に過酷なのはピッキング作業です。
20Kg、30kg以上の重い荷物を、何度も何度も運びます。
時期によっては1日中、この作業をすることもあります。
ふつうに地獄です。

仕事が終わると、腕や足だけではなく、からだ全体がパンパン。
疲れが取れず、次の日もかなり疲れがたまった状態です。
私はベテランな方ですが、それでもこの調子です。
むしろ体がガタガタで、疲労骨折は何度か経験しました。

未経験の方は「体を理由に」辞める方がたくさんいます。
体感的には、7割の方が1年以内に退職しています。

倉庫内作業は、そのくらい肉体的にきつい仕事です。

デメリット2:精神的にきつい

倉庫内作業は精神的にきついです。
なぜかというと、検品という確認作業があるからです。
検品は、正しく出荷するための作業です。
間違いを防ぐ最後の砦となります。

もし誤出荷すると・・・。
取引先から、即クレームが入ります。
商品の数が足りなければ、取引先にとっても死活問題ですから。

うちの営業さんや上司は、平謝り。
取引先によっては、出向いて土下座もします。
私も何度か同行しましたが、お相手のお怒りは尋常ならぬもので…。
人生初の土下座もこの時に経験しました。

検品ミスは、様々な人に迷惑をかけます。
どの作業のミスよりも大目玉を食らいます。

パートさんがやらかした誤出荷でも、全ては検品者の責任(正社員)です。

検品作業は、単調な作業の繰り返しなので、飽きもしますし、眠くもなります。
時計を見ては「まだ10分しか経ってない…」とゲンナリします。
慣れた人でもミスが起こしてしまいます。

倉庫内作業は、精神的苦痛も多々あるのです。

デメリット3:時間的に厳しい

倉庫内作業には、楽な面もあります。
基本的にひとりで淡々と作業できますから。
他人に気を遣うことも少なく、気楽なものです。
これがこの仕事の良いでもあります。

しかしながら、時間には厳しいんです。

倉庫は配達業界です。
配達業界で遅れは許されません。

お客さんは、トラックの出発が遅れると大損害を受けます。
スーパーの特売に間に合わない、到着まで人を待機させる人件費、コンビニの弁当が空っぽになる、工場の部品が届かず作業中断などなど。
チョットの遅延で数十万円、数百万円という大損害。

10分遅れただけでクレームの電話がバンバン鳴りますし、損害補填も請求されます。
二回遅れただけで「取引中止」も珍しくありません。
そのくらい時間の遅れに厳しいのです。

こうなると会社も時間に対してピリピリします。
もし遅れれば、上司から怒鳴られますし、プレッシャーもハンパないです。
給料を減額させられたり、トラックの運ちゃんからも怒鳴られたり、同僚からも煙たがられたりもします。

もちろん時間を守るのは大切です。
倉庫内作業員なら、誰もが感じていると思います。

でも守れないときもあるのです。
腰を痛めてるときだったり、パートさんが休んでいたり、そもそも荷物が多すぎたり。
慌てすぎると検品ミスという恐怖もあります。

それでも理由はなんであれ、遅れた責任はキッチリ取らされます・・・。
倉庫内作業は、こんな理不尽な業界です。

デメリット4:スキルが身に付かない

僕は最初の頃、倉庫内作業でもスキルが身に付くと思っていました。

フォークリフトの他にも色んな重機を使うので。
資格も取れるし、運転技術も身に付きます。
40歳や50歳になっても職があると思っていました。

しかしながら、実際は全然違います。

ハッキリ言って、スキルは身に付きません。
荷物を運ぶだけの仕事ですから。
そんな単純作業でスキルなんて身に付くわけがない・・。

業務によっては、未経験者でもたった1時間で、10年目のベテランと同様の仕事ができるほど簡単です。
身に付くものは筋肉ぐらいでしょうか。

他には、
ガマン強さ。
暑さと寒さへの耐性。
上手にサボるスキル。

正直どうでもいいスキルばかり・・。
社会で役に立つような、真っ当なスキルは身に付きません。

実際、この仕事を辞めた人を色々と見てきましたが、みんな結構悲惨です。
アルバイトだったり、派遣だったり、期間工だったり、交通整理だったり、タクシーの運転手だったり、介護だったり・・。
まともな給料をもらえる仕事は無理なようです。

最悪なケースだと、倉庫歴20年のベテラン男性で、腰を悪くして退職。
次の転職先が決まらず、2年間もハローワークに通い続けるも、無職のままで、住宅ローンが返済できず、家がなくなって、息子の大学入学費が払えず、消費者金融で借金をして、今はホームレスという悲惨な方もいます。
まあホームレスになる話はチラホラ聞きます・・。

もちろんフォークリフトの資格は取れます。
でも実はたった5日で取れる資格です。
だから業界的には、持っていて当たり前。
「文字の読み書き」くらいの当然の資格です。
ほぼ無価値。

倉庫内作業は、スキルが身に付きませんのでご注意ください。

デメリット5:リストラが多い

倉庫内作業で働けば、人生安泰と思っていました。
モノが流通し続ける限り、仕事がなくならないと思っていました。

しかしながら、最近徐々にロボット化が進んでいます。

例えば大手のニトリやアマゾンは、積極的にロボットを導入しています。
ロボットは人間より優秀だそうです。
作業が早く、まったくミスをせず、24時間働いても何一つ文句を言わずに、人間を管理するよりもラクで、ムダな人件費もかからない。
実際、アマゾンはロボットを導入することで、倉庫1つあたり約25億円の大幅なコストカットに成功しています。

だから、ほかの会社もアマゾンに追いつけと、ロボットをバンバン導入しています。
大手の会社はもちろん、中小の会社もロボットの導入を始めました。

こうなると、人手が余ってきます。
もし余れば、他の部署へたらい回しにされたり、島流しされたり、リストラされたり・・・。
倉庫作業員は、何のスキルも身に付かないので、どこへ行っても邪魔者扱いされるだけです。
それに耐えきれず転職する人は沢山いるそうです。

今後は、確実に小さな倉庫にもロボット化の波が来るでしょう。
そうしなければ、会社は生き残っていけないですから。

つまり倉庫作業員は、この世から消える可能性が高いです。
オックスフォード大学が発表した「AIに仕事を奪われる仕事」のTOP100にも入っていました…。
単純作業かつ、専門スキルも不要、コミュニケーションも不要なので、しょうがないかもしれません。

倉庫内作業は、リストラ確率が高い業界なのでご注意を!

デメリット6:給料が激安

恥ずかしながら。
昔の僕は、倉庫内作業の給料が高いと思っていました。
肉体労働は、そこそこ高給というイメージがありました。

しかしながら、実際の給料は激安です。

倉庫内作業は、年収300万円未満の人がほとんどです。
世間の平均年収は400万円弱だそうですが、それ以下です。

手取りにすると毎月16万円ほどです。
一般の人よりはるかに安い給料です。

でも無理はありません。
倉庫内作業は、誰にでもできる仕事ですから。
スキルが身に付かない仕事、つまり自分の価値が高まらない仕事です。
会社は、そんな人に高い給料を払うわけがありません。

生活は苦しいんですよね。
結婚して子供ができれば、生活費で給料なんて吹っ飛びます!

貯金もほぼゼロです。
何も買えないし、どこにも旅行に行けないし、子どもの大学費用も払えません。
急な出費をカードローンで回避することもしばしば・・。
夫婦共働きじゃないと100%無理です。

もちろん昇給はします。
でも、上がるのはほんのわずか。
僕は10年で1万5000円しか昇給していません。

僕が無能なだけなのかもしれませんが、ツイッターやfacebookなどで同業者の話を聞く限り、同じような感じなようです。

倉庫内作業は、最初から給料が激安なうえに、昇給もしない業界です。
給料が安くて退職する人は、数知れません。

デメリットまとめ

倉庫内作業は、仕事がきついし、将来性もないし、給料も安い。
これが現実です。

転職するのは止めておきましょう。
もし家族が転職したいと言ったら、僕は全力で止めます。

・・・

しかしながら!
倉庫内作業にもメリットはあります。
少ないですけど・・。

ただメリットを知ったほうが、より倉庫内作業のことが分かるはずです。
ということで、次は「倉庫内作業のメリット」を書きたいと思います!

メリット1:入社が簡単

倉庫作業は誰にでもできます。

ぶっちゃけ、スキル無しでも働けます。
未経験者でも1ヵ月働けば、勤続10年目のベテランと同等の仕事ができるほど簡単です。
学歴なんて関係ないし、年齢も関係ない。
体力があれば、誰でもいいんですよね。

だから入社が簡単です。
他の業界では不採用が続いたけど、倉庫会社には採用された人がたくさんいます。
40代、50代の人が行き場を失って、最後にたどり着くのが倉庫内作業。
これ倉庫のあるあるです。

もちろん、倉庫内作業でも不採用のことはありますよ。
でも不採用の人は、よっぽど問題がある人。

たいていの人は「応募=採用」です。

メリット2:コミュ力がいらない

倉庫は色々な人います。
パートさんだったり、派遣さんだったり、正社員だったり、トラックの運転手だったり。
人と関わる機会が多いのかなと思っていました。

しかしながら、人と関わることが滅多にありません。

倉庫内作業は、黙々とする一人でする作業です。
人と話をすることがほとんどありません。
人と話をするときは、何かのトラブルが起きたときぐらいです。

もちろん業務連絡はちょくちょくありますが、基本的には1一人です。
「今日は誰とも話してないな」という日もあるくらいです。

だから、コミュニケーション力なんて必要ありません!
実際、働いている人は、人と接するのが苦手、人見知り、人が好きじゃないという人が多いです。

僕自身、コミュ下手です。
内向的かつ、人見知りかつ、友達が数人しかいないという人間です。
それでも10年続いています。
むしろ内向的だからこそ10年続いているのだと思います。

倉庫内作業は、人付き合いが苦手な人に向いている業界です。

まとめ

倉庫内作業は、転職しないほうがいいです!
仕事がキツく、将来が不安で、給料も安いです。
現実はそんなもの。

しかし、僕のような内向的な人間には、ある意味天国です。
他人に気を使わなくていいのは、かなり気楽です。
もしかしたら天職なのかもしれません。

僕と同じような人には、オススメできる業界です。

どうせ働くなら、少しでも待遇の良い会社を見つけてください。
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こうしたサイトをうまく活用してみてください。
登録後に、限定求人も探せるようになりますので、まずは一度見てみてください。

それではご武運を!